「あいちウェブ文学館」館長よりごあいさつ

●館長・三田村博史● 〜あいちの文学状況を発信〜
愛知は古くは万葉集に何首も「あゆち」と詠われ、県花・かきつばたは伊勢物語の東下りの段に由来するといった文学ゆかりの多い土地柄である。
明治に入っても坪内逍遥、二葉亭四迷といずれも尾張藩士の子弟が日本近代文学の礎を築き、つづいて半田出身の小栗風葉らが明治文壇を支えた。また日本における探偵小説の開拓者は蟹江出身の小酒井不木、名古屋の中心で育った江戸川乱歩。モダニズム詩運動を起こしたのも春山行夫らによってだった。戦後文学は旧制八高出身の藤枝静男、平野謙、本多秋五、さらには終生、渥美に根をおろし活動した杉浦明平に依るところが大きく、児童文学では新美南吉、さらには経済小説の城山三郎をも忘れることはできない。
この「あいちウェブ文学館」はその他多くの文人たちの資料を保存しようと活動した愛知近代文学館建設促進委員会(代表:故・助川徳是 名古屋大学名誉教授)への寄金によって、過去および現在の愛知の文学状況を発信する目的で開設された。今、刻々と失われつつある文学紙媒体を保存収納、後の世代につたえる文学館が出来るきっかけになればと願っている。
館長・ウェブ便り 〜ここでは館長・三田村博史氏の関連行事をご紹介します〜
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〇「まるは食堂」「まるは食堂2024」で主役の相川うめさんを演じた竹下景子さんが6月12日、「時代に応じた女性像を演じ、芸能文化に貢献」とのことで、第78回中日文化賞を中日新聞社長・大島宇一郎氏より受賞しました。おめでとうございます。当日、竹下さんは和服姿で出席。他の受賞者は大府市出身のバイオリニスト・竹澤恭子さん他2氏。
〇これから先、3つの行事がつづけて行われます。1、「トークイベント詩人 永瀬清子の誕生」10月19日(日)午後1時半より。「イーブルなごや・2階視聴覚室」。地下鉄東別院下車1番出口から東へ徒歩3分
岡山赤磐市生まれの永瀬は金沢で高等女学校を卒業後名古屋へ来て、愛知県立第一高等女学校高等科(現・明和高)へ進み、八高の先生たちの教えを受け「上田敏詩集」を読み地元の?木斐瑳雄たちの詩誌「新生」にも参加して詩人になる決意をします。「現代詩の母」と呼ばれる永瀬は名古屋でその地盤をかためたのでした。当日は赤磐市の「永瀬清子展示室」学芸員・白根直子氏も出席されます。申し込みは?090−7043−0159 上中まで。*かわら版にチラシ掲載
〇2、文学企画「江夏美好と東海文学」の展示は10月8日(水)から11月30日(日)まで。名古屋で同人雑誌「東海文学」を創刊、主宰した江夏の写真、資料を「文化のみち 二葉館」2階で展示。
「トークイベントー江夏美好の〈ふるさと〉名古屋と白川郷」は10月26日(日)午後1時半から、「文化のみち 二葉館 1階大広間」で開かれます。林正子・岐阜大学元副学長が飛騨の江夏、三田村が名古屋での江夏美好について話します。江夏の代表作「下々の女」は第11回田村俊子賞受賞しています(第1回受賞者は瀬戸内晴美)。*かわら版にチラシ掲載
〇3、11月8日(土)午後1時半から鈴鹿市立図書館で「鈴鹿文学祭」が行われます。今年度の「斎藤緑雨文化賞」は元中部ペンクラブ副会長で「東海文学」「文芸中部」編集委員でした故・井上武彦氏に贈られます。井上の「死の武器 特殊潜航艇異聞」は三島由紀夫が絶賛した真珠湾攻撃艇の様子を書いています。今年は井上生誕100年。
あいちウェブ文学館館長 三田村博史
「あいちウェブ文学館」主催・協力事業
(作者・講師:三田村博史 館長)/長円寺会館
●2016年2月14日(日)『口語短歌の新たな地平ー歌集『砂丘律』批評会』/長円寺会館
●2013年10月5日(土)『漂い果てつ』を話す会/今池ガスビル7F ☆写真付レポートはこちら
●2015年5月31日(日)あいちウェブ文学館 お礼と報告の会/名駅アートハウスあいち
☆写真付レポートはこちら

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掲載ご希望著書の●紹介本文200字程度 ●出版社名・定価・購入方法 ●お名前・ご連絡先(住所・電話番号)をお書きいただき、●実物本とご一緒に下記・事務局まで郵送ください。なお、ご著書の返送は、送料ご負担いただける場合のみとさせていただきますのでご容赦ください。
●掲載お申込み人はいずれかといたします。 1.著者ご本人 2.著者が掲載依頼をした、その代理人(著者依頼の確認できるものを準備ください) 3.著者が掲載依頼をした、その所属組織・団体(著者依頼の確認できるものを準備ください)
〒453-0013 名古屋市中村区亀島1-9-10 あいちウェブ文学館事務局 宛
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掲載料を専用振込口座「あいちウェブ文学館 00840-6-198845」(ゆうちょ銀行)へお振込願います。確認後よりウェブ掲載作業に入ります。
掲載費用は●1作品・3ヵ月・1,000円、6ヵ月・2,000円(同作品)。3ヵ月もしくは6ヵ月経過時点でウェブサイト上から削除いたします。事務局よりご連絡は差し上げませんのでご了承ください。お振込いただいた費用は、文学紙媒体を保存収納、後の世代につたえる文学館建設啓発活動(「あいちウェブ文学館」運営を含む)への寄付とさせていただきます。
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