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「あいちウェブ文学館」館長よりごあいさつ

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●館長・三田村博史● 〜あいちの文学状況を発信〜

愛知は古くは万葉集に何首も「あゆち」と詠われ、県花・かきつばたは伊勢物語の東下りの段に由来するといった文学ゆかりの多い土地柄である。 明治に入っても坪内逍遥、二葉亭四迷といずれも尾張藩士の子弟が日本近代文学の礎を築き、つづいて半田出身の小栗風葉らが明治文壇を支えた。また日本における探偵小説の開拓者は蟹江出身の小酒井不木、名古屋の中心で育った江戸川乱歩。モダニズム詩運動を起こしたのも春山行夫らによってだった。戦後文学は旧制八高出身の藤枝静男、平野謙、本多秋五、さらには終生、渥美に根をおろし活動した杉浦明平に依るところが大きく、児童文学では新美南吉、さらには経済小説の城山三郎をも忘れることはできない。  この「あいちウェブ文学館」はその他多くの文人たちの資料を保存しようと活動した愛知近代文学館建設促進委員会(代表:助川徳是・名古屋大学名誉教授)への寄金によって、過去および現在の愛知の文学状況を発信する目的で開設された。今、刻々と失われつつある文学紙媒体を保存収納、後の世代につたえる文学館が出来るきっかけになればと願っている。

館長・ウェブ便り 〜ここでは館長・三田村博史氏の関連行事をご紹介します〜NEW

【ウェブ便り18号】各種講演会等告知・報告
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○7月9日「中日詩祭」に初めて出席しました。「中日詩賞」は林美佐子「発車メロディー」(詩遊社・刊)、新人賞は舟橋空兎「ふりーらじかる」(ブイツーソリシュ―ション・刊)。詩人はプロもアマもないんだ、いずれも確固たるモノを持って臨んでると授賞挨拶を感心して聞きました。野村喜和夫さんの自詩「エデンホテル」解説のあとKoji Koji Mohejiによるスコットランドとスペイン・ガルシア地方のバグパイプの違いの説明と演奏、手回しオルガン、ディアボロによるジャグリングとアトラクションも楽しかった。
○夏恒例の「文芸中部」合宿合評会は7月19日、伊賀市で開かれました。翌日は失敬し午前中、名村さんと未見だった「日本三大敵討ち」の「鍵屋の辻」―荒木又右衛門が渡辺数馬の敵討ちをした「小田」を訪ね、ああ、この狭い坂の交差点で待ち伏せしたからこそ永年の恨みがはらせたんだと納得しました。午後は同市柘植町をまわったよ。新感覚派の代表作家・横光利一が育ち、芭蕉ゆかりの地だからです。横光の父親は鉄道工事測量のためあちこち移り住み、利一は福島生れですが、四日市、草津間の加太トンネル工事の時に柘植町野村に滞在、富農・中田小平の四女で郵便局勤めのこぎくと結婚してたのです。父が朝鮮鉄道建設に赴任すると利一は、姉と母の実家の筋向いの親戚梅田竹次郎家の2階に住み東柘植小学校へ5年生の9月まで通いました。後、今も白亜の校舎が残る県立第三中学校(現・上野高校)へ進みます。梅田家の地に説明板があり、隣地は初期の「笑われた子」に出てくる「跳ね釣瓶」が再現され、写真や説明を写しこんだ碑のある「横光利一のふるさと公園」となっています。離れた丘にも「横光公園」が整備され、柘植を書いた絶筆「洋燈」型のジュラルミン製モニュメントも光ってますし、柘植歴史民俗資料館の奥の丘には川端康成揮毫の「蟻 臺上に 月高し」の句碑もあります。横光は俳句も多く作りましたが、それは祖母の系統が芭蕉と繋がってると信じてたからですね。
○ 民俗資料館から「芭蕉生誕宅地」捜しを始めました(写真上)。資料館展示の系譜では横光の祖母は「松尾はな」。といって後の研究では横光と芭蕉の繋がりは怪しいようですが・・実は、芭蕉の生誕地には定説がありません。今、「生家」と喧伝されてる伊賀市中心部の赤坂町の家で芭蕉が生まれたか、この山中の柘植拝野で生まれ赤坂へ移ったか。赤坂町は訪れる観光客も多いですが、地元の人が350年余りも守りつづけてきた苔むした碑の残るこの柘植の方が信憑性が高く感じられました。ただもの心ついてからの芭蕉にとっての「生家」は「古里や臍のをに泣年の暮」と詠んだ赤坂町の家であるのも確かでしょう。芭蕉の祖は平宗清に発し天正の乱に破れ、一時駿河に逃れ土民化していた。その後柘植に戻り松尾7党の寄株となり、徳川中期、芭蕉の父、儀左衛門が上野城下へ出たというのが正しいでしょう。この地には利一が「芭蕉と灰野」で書いた「松尾姓」が残っています。(「灰野」は多分、利一の記憶ちがいで「拝野」が正しいでしょう)
○原作「漂い果てつ」に依る、北野和恵・脚本、菱田一雄・演出のPH7劇団「石の舟」公演、9月16日、17日、台風の中、大盛況でした。(写真中)ありがとうございます。PH7のみなさま熱演よかったよ。(「石の舟」に乗って重吉登場の場面)これを機に小栗重吉がもっと広く知られるとよいと思っています。
○10月28日(土)午後2時からYOYO読書会、小島信夫訳、ウイリアム・サロイヤン「人間喜劇」、国鉄会館7階。会費1000円。       あいちウェブ文学館館長 三田村博史

「あいちウェブ文学館」主催・協力事業

●2016年2月14日(日)あいち文学フォーラム主催『東海の文学風土記』出版記念講演会
 (作者・講師:三田村博史 館長)/長円寺会館
●2016年2月14日(日)『口語短歌の新たな地平ー歌集『砂丘律』批評会』/長円寺会館
●2013年10月5日(土)『漂い果てつ』を話す会/今池ガスビル7F ☆写真付レポートはこちら
●2015年5月31日(日)あいちウェブ文学館 お礼と報告の会/名駅アートハウスあいち
 ☆写真付レポートはこちらNEW

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当サイト上での新刊(既刊)紹介について

ご準備いただくもの

掲載ご希望著書の●紹介本文200字程度 ●出版社名・定価・購入方法 ●お名前・ご連絡先(住所・電話番号)をお書きいただき、●実物本とご一緒に下記・事務局まで郵送ください。なお、ご著書の返送は、送料ご負担いただける場合のみとさせていただきますのでご容赦ください。
〒453-0013 名古屋市中村区亀島1-11-11 あいちウェブ文学館事務局 TEL&FAX 052-700-5610/月曜定休・11:00〜19:00

掲載料金について

掲載料を専用振込口座「あいちウェブ文学館 00840-6-198845」(ゆうちょ銀行)へお振込願います。確認後よりウェブ掲載作業に入ります。
掲載費用は●1作品・3ヵ月・1,000円、6ヵ月・2,000円(同作品)。3ヵ月もしくは6ヵ月経過時点でウェブサイト上から削除いたします。事務局よりご連絡は差し上げませんのでご了承ください。お振込いただいた費用は、文学紙媒体を保存収納、後の世代につたえる文学館建設啓発活動(「あいちウェブ文学館」運営を含む)への寄付とさせていただきます。

掲載基準について

主に新刊紹介ですが、当面は既存のご著書でも可能です。
文学団体・研究組織を問いませんが、著者または団体があいちに在籍、関連がある、または著書の内容があいち文学にまつわるものとします。

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